7年前、今の学校に転任してきたオリバーは、毎朝外人とすれ違った。
ただ、登校途中ですれ違っていただけなのだが、笑顔を交わすようになった。
そのうち、どちらからともなく、かるく手を挙げるようになり・・・
1年もすると「おはようございます!」と互いに声をかけていた。
立ち止まって話すこともなく、挨拶だけの毎日。忙しい朝の一時。
でも、きっとお互いに、その人に会えることを朝の楽しい日課にしていた。
心の中で、勝手に彼を「アブラハム」と名付けていた。
髭モジャモジャだった彼を中東の人と思い込んだからだ。
しかし、ここ3年ほど、彼は朝すれ違わなくなっていた。
近所で見かけたことから、学校の近くに住んでいるのかな?と推測はしていた。
今日、帰宅途中に公園でバッタリ会って、初めて会話を交わすことができた。
すると・・・すごい事実がわかった!!
彼の名は、アブラハムじゃなくて「ベン」といい、イギリス人だった。
今は髭もすっかりなくて、とてもハンサムな男性だ。
7年前から来日し、「英語の先生」として学校に通っていた。
毎日笑顔を交わす日本人が心の支えだった・・・と言ってくれた。
最近は勤務先の学校が変わり、朝会えなくなっていたのが残念だった、と。
そして、自分は小学校の先生で子どもからは「オリバー」と呼ばれているというと・・・
『それは覚えやすい!!僕のミドルネームはオリバーだ!!』・・・・・!!!
何という偶然だろうか。オリバー同士だったとは。
ガッチリ握手をし、長い間お互いに心の友であったことを喜んだ。
7年も時間をかけて、やっと会話を交わし、友だちになった。
しかも不思議な縁があった。本当に不思議だ。
時間はかかったけれど、ベンと私は友だちになれる運命だったんだ。
笑顔・・・手を振り・・・挨拶・・・会話
もうこれ以上の発展はないかもしれないが、今日の出会いに感謝だ。
7年目にパズルのピースがピッタリ揃ったような気持ちの良い夕方だった。





